2012年2月24日 (金)

謎の数字h-index

カテプシンKの阻害剤が、いよいよ骨粗鬆症市場に投入されそうですし、iPS細胞による治療も現実味が増して来て、自分はどういうポジションでいる事が一番世の中のために役に立てるか、考える今日この頃。

気分もだいぶ落ち着いては来ましたけれど、ここ数年は学会にもあまり出ず、かと言って論文書いてるわけでもなく、ただひたすらに細胞を集めていたわけです。それゆえ、ある意味自由、ある意味不自由。

研究の評価の変遷は、まずとりあえず論文数=共著でもなんでも数打てば良かった古き良き時代の名残、インパクトファクター=最初はインパクトがあったが今は研究者よりも出版社が必死、Citation Index=自分たちによる自分たちの文献引用で上がったけれどコンピュータはだませなかった(自分で引用した自分の論文は簡単にはじかれる)、という感じで、どれも数値を参考にすればその裏をかこうとする輩が出て来て、失敗に終わっています。

そこで、2005年あたりから論文の厚み評価というか、どれだけ沢山引用される面白い論文を沢山出しているかという評価値h-indexが導入されました。あまり普及しないのは、数値の意味が分かりにくいからでしょう。適当に計算してみると、僕のh-indexは19と出ました。19報の論文が19回以上引用されてるという事らしいです。という事は、次の論文は、引用回数20回を目指せば良いという事になりますね。

論文数でも、インパクトファクターでも、h-indexでも、要は自分のモチベーションが上がるような数値目標を立てて、研究をするというのが良いと思います。つまらない競争だけはしてはいけません。

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2012年2月17日 (金)

給与削減より復興費天引きが良いのでは?

国家公務員の給与削減の方向で議論が進んでますね。僕は、自分が給料分働いているとは思えないので、文句はありません。ただ、地方公務員や民間の給与の基準ともなっている給与を削減して、本当に良いのかどうか。しかも、2年間だけと言いますが、その間に民間給与が下がったら、経済はどうなるか、だれもシミュレーションしていないですよね。

先日NHKで、被災地の企業に、信用金庫が融資をする話をやっていました。今回の財源を被災地復興に使うなら、僕は喜んで差し出します。その場合、給与削減というネガティブな言葉を使うより、給与明細から復興予算に何万円回しましたとはっきり書いていただいた方が、こちらも気持ち良く出せるのですけどね^^。

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2012年2月14日 (火)

中年の危機

ホイットニーヒューストンが亡くなりました。48歳でした。

ユングという有名な心理学者がいます。著書を読んだ訳ではないのですが、「中年の危機(Middle age crisis)」という概念を提唱したひとでもあります。人生の半ば40〜50歳にそれは訪れます。それまでは上り調子で勢いに乗って走って来た人生に、さまざまな試練が積み重なり、健康的にもトラブルが多くなり、大きな壁にぶちあたる人生における重要な時期です。乗り越える方法は、ひとそれぞれです。ぼくも、まだ乗り越えていませんが、少し思う事を書いてみようと思います。

まず、自分の体(脳)が、悲鳴を上げている状況をなんとかせねばなりません。ぼくの場合は、体は、脂肪肝、高脂血症、風邪をひきやすい、頻繁に口唇ヘルペスが出る、肋間神経通、書痙、手や足にやたらと汗をかくなどの症状が出ていました。精神的にはノイローゼっぽくなり、抑うつ傾向が続いたり、急に元気になって引っ越しをしたり。ふいに、自分は不治の病になっているのではないかという妄想に取り付かれたこともありました。

ここ数年、講演の依頼、論文のレビュー、雑誌社からの編集員の依頼、海外からの本の執筆依頼、教授選のお誘いなど、さまざまな依頼が来ましたが、ほとんどを断ってしまいました。昔のぼくだったら、喜んで引き受けるでしょうし、そのすべてをこなす事ができたはずです。でも、できなかった。いや、やる前に逃げてしまった。

ただ、逃げていなかったら、この文章を書いている自分はこの世にはいなかったと思います。そして、逃げている間、自分の将来がまったく見えなくなります。この精神的な苦しみは、暗闇の航海と例えられます。

暗闇の航海の中で分かった事。

(1)この世界の中心は、自分である。他人の視点で自分を見ると迷う。
(2)自分が楽に生きれば、周囲も楽になる。ただし、楽に生きる事=怠惰に生きる事ではない。
(3)アイデアを隠す必要はない。むしろ、アイデアを共有すれば人を巻き込んで楽しく生きる事ができる。
(4)怒りや嫉妬、焦りなどの感情は、目を閉じて5分間瞑想すればやわらぐ。
(5)人は必ず死ぬ。その不安を消す事はできない。不安とともに生きられるように体はできている。

そして、心に神の存在を常に意識すること(宗教に入れという事ではありません)。科学者ならば、自然現象に神秘を感じる事ができるでしょう。われわれの知っている事にくらべ、未知の領域ははるかに広大です。解決できない問題を、知ったかぶりせずに、大いなる何かの手にゆだねる事は、科学者として自然への敬意と畏怖を抱き続ける事に等しいと思います。その上で、未知の領域にある事象を、人の文字に置き換えて記述していくという仕事に、一生を捧げるというのは、とても崇高な事ではないでしょうか。

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2012年1月 1日 (日)

あけましておめでとうございます

昨年は、大変な1年でした。とりあえず、なんとか掃除をしたり、論文を読んだりができるようになりました。ただ、書くのはとても遅くなりました。締め切りが守れなくて申し訳ないです。

研究の最前線から少し距離を置いて見ると、日本の科学リテラシーの低さが経済の停滞を生んでいると思うようになりました。世界でも屈指のレベルの科学技術を持ちながら、多くの人がそれを知らない。相変わらず、海外の評価に頼っている。再生医療も、どこか他の国がやらないかなーっと、ぼけっと待っている。

ソフトバンクの孫正義社長は、iPhoneを売る時に、社員全員にiPhoneを配ったそうです。iPhoneは、実は非常に分かりにくく複雑な機械です。それをなぜ多くの人が使いこなしているのか。孫社長は、社員のプライベートでの使用をおおいに奨励しました。そして、使っている人が、友人や家族にその便利さを無理無く伝えて行く事で、iPhoneを広めて行ったわけです。そばで使っている人を見て、自分でもやってみて、「あー、そうだったのか」と分かる。

今年は、そのあたりの事を考えながら、数字から自由になることを目指そうと思います。数字はでしゃばりすぎる。数字は嘘をつく。世界はスカラーではなく、ベクトルでできているのだから。そして、ベクトルの意味は、手に取ってみないと分からない。

難しい事はさておいて、今年が良い年でありますように。

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2011年10月14日 (金)

自分がやりたい事をやるべきか、コミュニティーのために働くか

こんにちは。

どうも、適応障害で飲んでいた抑うつ剤が効き過ぎて、おかしくなる事があるようです。気分を無理矢理上げずに、とにかく休む事が大事だと思います。

さて、どういうわけだか、適応障害で沈んでいる間も、研究は進んでいます。むしろ、1人で頑張っていた時期よりも、はかどっている感じです。

研究者は、よく「自分の業績」にこだわってしまいますが、「みんなの業績」「社会への貢献」という視点から、評価すべきではないかと思うようになりました。自分が頑張れなくても、周囲の人がすこしづつでも力を貸してくれれば、それは「みんなの夢」として実現していくものなのです。

インパクトファクターや論文数で、研究者を評価するのはやめませんか?

それよりも、研究室や研究施設単位で、どれだけ社会貢献ができているかを評価し、内部でのコーディネーションをする人たちをもっと育てましょう。

うまく言えないけれど、個人業績主義は、日本の科学レベルを引き下げていると思います。村社会を基礎とした、全体評価に切り換えて行く事が大切な時代になってきていると思います。コミュニティーを育てる事で、日本は再生できます。

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2011年10月 8日 (土)

雑想

たぶん、今僕は、正常な精神状態を保てていません。でも、書かずにはいられないので書きます。

僕は何もしないのが苦しい

残りの人生、自分の苦しみを隠すのをやめて、思い切り外に出してみる

そのために必要なものは学んだ

キリストやガンジーになるつもりはない

むしろ逆の方向に進む事になると思う

キリストもガンジーも仏陀も、貧困と争いの世界で人を救った

でもその教えは、今の日本には通用しない

外国に行けば分かる。日本と一部のヨーロッパの国以外は、いまだに貧困と差別の世界

日本で、差別だとか格差社会とか言ってるけど、ぜんぜんぬるい

ヒッキーが生きて行けるのは、ごく少数の恵まれた家庭だ

そして、恵まれた家庭では、逆説的だが、人は心を病む

与える事をせずに、求めすぎるからだ

日本はもう一度貧しくなれば良いと思う

高齢者のためにお金を惜しみなく使おうではないか

この幸せな国を作ってくれた人に

幸せな余生を与えてあげることはとても意義深い事だ

そのためにわれわれは、あえて貧困を選ぶという選択があって良いと思う

なぜなら、われわれは「なにもしていないのだから」

求める事をやめて、与えようではないか

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2011年8月11日 (木)

Science Daily

最近、医学・生物学関係の論文のサプリメントデータが多すぎて、読む気にならないので、あえて科学ニュース誌を見るようにしています。若い人にもおすすめなのがScience Dailyです。あまり専門的にならず、かといって素人向けではなく、広い視野で科学界全体に渡って、面白い話題を提供してくれています。

英語も、専門誌と違って、少しくだけていて、海外の研究者とコミュニケーションをとる時にも役立つんじゃないかと思います。これからのサイエンスには、広い視野と教養が求められるので、暇つぶしにでも読んでみてはどうでしょう。実験しろとうるさい教授の鼻をあかせるかもしれませんよ(笑)。

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